こんにちは、松山真由美です。
先日、私の作文が「ホワイトハーネス」という、ライトハウスの機関誌に掲載されたので、今日はそれをご紹介したいと思います。
3ヶ月ほど前のある日、ほっこりあん先生に「盲導犬が来てから変わったことなど、どんなことでもいいので書いてください!」と頼まれました。
何を書こうか随分悩みましたが、奇跡だらけの訓練所で、感動のあまり「すごーい!ここは魔法学校だったんだ!ハリーポッターの世界!」とみんなに話していた事を思い出したのです。
「そんなこと言ったの松山さんが初めてだよ!」と、感心されていましたが、
私からすれば「どぉ考えてもここは魔法の世界なのに!なぜ誰も気づかないのかしら?」
そうだ!ありのままを書こう!と思い「魔法学校を卒業した私」というタイトルで書くことにしました。
この訓練日記に、よく魔法が出てくるのですが、、なぜ魔法なのかということを今まで書いていなかったなぁと思い、今回の訓練日記に載せることにしました。
ぜひ読んでみて下さいね(^o^)/
「魔法学校を卒業した私」
こんにちは、私は、ほっこり美容村でエステの仕事をしている松山真由美です。
去年の10月、長い間待ち望んだ共同訓練で、ラシッドに出会いました。
初めて会った時は「なんだか夢見たい!やっと出会えた!ここまでくるのには本当に長い道のりだったなぁ!!」
9年も願い続けたからか、誰よりも激しく感動した私は、何も見えない中、
あれ?ここは何かが違う!と、気づいたのです!
全く目が見えない人間に、まるで見えているみたいに歩けるようにしてくれるなんて、すごすぎる!
そう、ここは魔法使いの先生が、魔法の犬に魔法のかけ方を教えてくれる魔法学校だったのです。
そうか、だからこんな山の上に訓練所があるんだ!ハリーポッターのお城みたい!と独りで感動していました。
でも卒業して現実の世界に戻ってからがとにかく大変でした。
訓練中は、魔法使いの先生がいてくれたから安心でしたが、お城から外にでると、何もかもがうまくいかないのです。
まずは、家と職場の往復の猛練習。お店から自宅までは結構遠く約1時間。
半人前の私たちには、いきなりハードすぎる道のりでした。
建物から外にでると、そこには無限に広がる真っ暗な空間。
今までの私なら、怖くて一歩足りとも動けなかったのに「いってきまーす!」と勢いよく歩いていけるのです。
しかも誰にも何にもぶつからない!「わーい!自由だー!」という喜びと
「長い間信じて待ち続けたからこそ、今の幸せがあるんだ!」という思いから、
絶対がんばらなくっちゃ!と力みすぎたのがいけなかったのです。
つい先日も、早く上手くなりたい!という焦りの気持ちから、痛い目にあいました。
犬より前にでなかったら絶対に崖から落ちない!というのが鉄則なのに、
仕事に遅れる!昨日はできていたのに今日はなんでできないの?
焦りすぎた私は、つい勝手にウロウロして、溝にはまり思いっきりこけてしまいました。
他にも、完全に迷子になって探しにきてもらったり、車道に出てしまい、死ぬほど怖い思いをしたり、
絶対に入れると思っていたお店に入店拒否をされて、悲しい思いをしたりなど、
ラシッドと生きるようになってからは「え?なんで?」というような、
見えていたら有り得ないような事ばかりが起こります。
ですが、そんな失敗の数々から、何事も余裕が一番大事!
心に余裕がないと、いい仕事なんてできない!などなど、
いつもラシッド君には、教えられてばかりです。
これから先もいろんな事があると思いますが「これが私の生きる道、私の世界なんだ!」と、焦らずのんびり楽しみながら、
魔法の勉強をしていこうと思います。
ラシッド、いつもありがとう。