こんにちは、松山真由美です。
先日、ライトハウス出身で大阪在住の盲導犬ユーザーさんたちの「大阪ハーネスの会」という集まりに参加してきました。
盲導犬の数は、4月に参加した、クリーンキャンペーンの時よりも多い18頭、だけどあの時みたいにボランティアさんはおらず、訓練士さんは3人だけ。
考えただけでも不安でしたが、ベテランさんがいっぱい来る、盲導犬の勉強会とはどんなものなのか見てみたかったのです。今回は、地下鉄に乗り換えて、西田辺駅に大集合。
乗り換えどころか、クリーンキャンペーン以来、5ヶ月ぶりの電車に不安を隠しきれず
「中百舌鳥駅まで迎えにきてー」と、ほっこりあん先生にお願いしていました。
そこで、訓練仲間の野中さんと待ち合わせして、3人で仲良く平和に行く予定だったのですが、突然「この子は甘やかしてはダメだ!」と思ったのか
「迎えには行けない」と言われたのです。
「えぇー!な、なんで?ひどい!」と激しくオロオロしていると、
「これから先、松山さんが1人でどこかに行くたびに僕はついていけないんですよー!」と言われました。
「えぇー!なんでー??どこまでもついてきてー!!」
と思ったけれど、
いいや違う、これは神様に「甘えてばかりいたら一生どこにも行けないよ!」と言われてるんだろうなぁ!
頭では分かっていても、その時は、愛のムチでビシビシやられ、身も心もボロボロでした。
厳しいなぁ!やっぱり世の中は厳しいなぁ!
こうして迎えた当日、事前に駅員さんにお願いもしてあるし、後はラシ君と2人で駅に行くだけ。
しかし、その日は土曜日で全く人がおらず、ちょっと嫌な予感はしたけど、上りのスロープさえ発見できればきっと何とかなるはず!
なのに、なにがどうなったのか、見事に違う道に迷い込んだのです。
「あ、あれ?ここはどこ?」その瞬間から完全にパニックになってしまいました。
「誰か助けてー!!」と思っても、声をかけれる人がいないのです。
やっと見つけたお姉さんに助けてもらい、何とかスロープまでいけたというのに、いつものガヤガヤしている駅の音がしないので、
「何かが違う!これは駅にいくスロープじゃない!」
と思い込んでしまい、まさかのバックをしてスロープを降りてしまったのです。
もうこうなったらどうしようもなく
「電車に乗り遅れるよー!みんなに迷惑をかけるよー!」
と、焦りだけがどんどん大きくなるのです。
結局、3人の人に助けてもらい、見えていたら5分でいけるところが30分もかかり、ヨロヨロと駅に到着。
予定の時間よりは遅れたけれど、中百舌鳥駅でほっこり仲間の野中さんと無事に合流。
「私はもう、今日1日分の力を全部使い果たしました!」と、まだ朝だというのにぐったり。
そしてついに、何とかですが間に合い、西田辺駅でほっこりあん先生たちにも合流することができました。
「ほーら!ちゃんと来れたじゃないですかー!」
と言われましたが、ちゃんとかどうかは別として、確かに間に合った!
「会場まで歩いたら20分くらいなので、歩く組とバス組に分かれますが」
といわれた瞬間ぐったりしていた私は「絶対バス!バスに乗りましょう!」と即答していました。
こうして無事にバスに乗り込み、ほっと一安心。
すると、なんと今度はほっこりあん先生が、急に焦りだしたのです。
「大変!だいぶ乗りすぎてしまった!みなさん、ここで降りますよー!」
まさか!朝の私のパニックが、先生に乗り移ったのでは?
それとも、見えていても間違うこともあるんだよ!と身を持って教えてくれたとか!
そうして、人間6人と犬4頭は、ゾロゾロと反対側のバス停に向けて大移動。
「次の交差点まで行って止まってくださーい!」
など、先生の声の誘導だけで歩くのですが、共同訓練の最後に、卒業歩行で心斎橋の人混みをみんなで歩いた時のことを思い出して、ちょっと楽しかったです。
今度こそ無事に会場に到着。
まずは、訓練主任による講演会。
盲導犬の特性や、よくある悩みなど、いろんな楽しいお話をしてくれました。
フムフム..ベテランさんは、こんな悩みがあるのか!
ですが、周りで聞いているベテランさん達からは、余裕のオーラがムンムン漂っていました。
「いいなぁ!この人たちは私みたいに、迷ったりなんてしないんだろうなぁ!」
と思いながら、いろんな事が勉強になり、とても楽しい1日でした。
帰りの電車のホームを、ほっこり仲間とヨタヨタ歩いていると、なんと偶然、お店のスタッフのえりちゃんに会ったのです。
こんな時に知り合いに会えるというのは極上の安堵感。
「帰るまでが大阪ハーネスの会!気を抜かないで!」
といわれていたのにもかかわらず、ほっとしすぎたのか、最後の電車に乗る時、ホームとの間に足が落ちかけて
「ギャあー!」
それを見ていた神様が、「よくがんばった!もう楽をしていいよ!」
と、次にホームに降りる時、車椅子用のスロープをかけてくれたのです。
盲導犬がいて、こんなことではいけないわ!と思ったけれど、こんな話は聞いたことがないよなぁ!と思うけれど、愛のスロープに涙がでそうになりました。
さらに、「この子には、もう1ミリもパワーが残っていないから、魔のスロープまで送ってあげて!」
と、神様に頼まれたのか、ほっこりあん先生の魔法なのか、朝あんなに苦しんだスロープまで、駅員さんが送ってくれました。
他にもいろんなハプニングがあり、ほっこり仲間と本当に激動すぎて、心身共に疲れ果てましたが、なぜか「今日は行ってよかったねー!」と達成感だけは大きかったのです。
〈何事も、なんくるないさー、やってみれ〉
まだまだ、ベテランまでの道のりは長く遠いけれど、これからもラシ君と2人、力を合わせてがんばります(^O^)