こんにちは、松山真由美です。
先日、新しい三線を買いに、沖縄の読谷村に行ってきました。
ラシ君は今回で沖縄は2回目。
2回目ともなると旅も慣れたもので、本当に賢くて、さすが盲導犬だなぁ!と感心させられる事ばかりでした。
「賢いねー!かわいいねー!」
と、たくさんの人に誉めてもらい、誉められ上手なラシ君は、何だか一段と立派になったような気がします。
この読谷村とは、私が今の仕事であるエステの学校に通うため、しばらくの間暮らしていた、穏やかでほっこりに満ち溢れた「元祖ほっこり村」
夜、そんなほっこりがいっぱいの読谷村でごはんを食べていたら、衝撃的なことがありました。
突然、お客さんで来ていた地元のお兄さんに「盲導犬、初めて見ました。がんばってください。」
と熱く手を握られたのです。
しかし、その手から伝わってくる思いがあまりにも強く、
あれ?何かがおかしいなぁ!
と思い、
「どうかしたのですか?」と聞いてみました。
でも、なかなかお兄さんは答えてくれないのです。
一体なにが起こっているのかしら?と不思議に思ったのですが、
いや、違う!このお兄さんは泣いているんだ!
「お、おばさんが」
という言葉を口にするのが精一杯で、そのお兄さんは声を殺して泣き続けているのです。
びっくりした私は「おばさんがどうしたの?」
と必死で訪ねると
「おばさんが、目が、見えなくなって、なのに東京にいって、そこでがんばっていて」
と、声にならない声で語ってくれました。
この人は、私たちに偶然出会い、目が見えなくなったおばさんのことを思いだしてしまったのです。
きっと、この人は、おばさんのことが大好きなんだろうなぁ!
おばさんのことを思い、涙が止まらなくなってしまった、心優しいお兄さんに何度も強く手を握られ、思わず私ももらい泣き。
その時、はっ!と大学生になった甥っ子の事を思い出したのです。
本当にかわいくて、小さい頃よく一緒に遊んだのですが、だんだん私の目が悪くなり、今までのようには遊んであげられなくなりました。
しかし、優しい甥っ子は、いつも一生懸命、そんな私の手を引いて遊んでくれたのです。
当時の私は弱りすぎていて、幼い甥っ子の気持ちまでわかってあげれなかったけれど、
「このお兄さんのように、本当は悲しい思いをいっぱいしていたのかなぁ?」
と思えば、私もたまらなくなり、いろんな思いが涙と共に溢れ出してきました。
今まで「初めて盲導犬を見た!」と言って、自分の辛い話をされる方はいましたが、こんなにも号泣されたのは初めてです。
〈会いたいな、想いはいつも、届いてる〉
私はお兄さんに、
「そのおばさんも、盲導犬を持ったらいいのに!本当にすごいんですよー!絶対にお勧めなので、今日のこと、ぜひおばさんに話してあげてね!」
「ありがとう。盲導犬を触ったらダメなのは、知っていますが、少しだけいいですか?」
と頭をそっとなでられ、全てを聞いていたラシ君は、
「がんばりやー!! 元気だしやー!!」
と、しっぽで床をバンバン、必死で応援していました。
「それもこれも、元祖ほっこり村だからこそ出会えた、あったかすぎる話なんだろうなぁ!」
そうだ!少しでもお兄さんに勇気を与えられないかなぁ?と思い、この「ほっこり訓練日記」のことを伝えたのですが、まさかこんな場所で「訓練日記」が役に立つなんて!
「意味のない事なんて、何1つないんだよ!」
と、神様に言われているみたいで、今までずっと書き続けてきて本当に良かったなぁ!と、不思議なぐらい幸せな気持ちになった瞬間でした(^O^)