こんにちは、松山真由美です。
去年の10月12日に共同訓練に行ってから、丁度一年が経ちました。
「すごい!あれからもう一年かぁ!」
と、当時を振り返ると、急に涙が止まらなくなりました。
なぜかというと、去年の今頃、とても悲しい事があったからです。
共同訓練が始まる前、ほっこりあん先生に
「今回の訓練は、4人でスタートすることになりましたよ!賑やかで楽しい始まりになると思いますよ!」
と言われました。
「そうなんだ!どんな人たちに出会えるのかな?楽しみだなぁ!」
と毎日浮かれていたら、事態は一変したのです。
あと何日かに迫ってきたある日、ニュースで「徳島県で盲導犬とそのユーザーの男性が、トラックに跳ねられた」という事故を知ったのです。
しかも、その盲導犬は、11日で引退する予定。
頭の中が真っ白になり、ほっこりあん先生に
「今、ニュースを見たのですが、まさか来週から一緒に訓練を受ける方ではないですよね?」
と聞いてみました。
すると、
「松山さんと同じ日に訓練予定の方でした。もちろん、こんなことがあれば不安になるとは思いますが、一緒にがんばっていきましょう。」
と、励ましてくれました。
私はショックのあまり言葉が出ず、
「世の中にこんな事があっていいのかしら?これは偶然とかではないような気がする!」
と、なぜか分からない不思議な感覚に襲われていました。
そして、張りつめた空気の中でしたが、予定通り共同訓練の日がやって来ました。
食堂で3人でいるとき、
「本当ならここにもう一人いて、ワイワイ楽しく笑っていたんだろうなぁ!
大ベテランさんなのでいろいろ教えてもらい、きっと仲良くなっていたんだろうなぁ!」
と思えば、寂しかったですが、
「いいや、落ち込んでいる場合じゃない!
いつか私も、その人みたいに世の中のお役に立つ人間になれるようにがんばろう!」
こんな感じで始まった共同訓練でしたが、無事に卒業して、一年間歩いてきた結果気づいたのは、私は人より、方向感覚などの能力がかなり低いということ。
だから、いっぱい道に迷ったり転んだりしてきたんだなぁと思いました。
ですが、いつも私の中でも不思議だったことが一つだけあります。
それは、はじめの頃の話ですが、毎日のように車道に出てしまい、絶体絶命のピンチ!という時でも、いつも誰かが助けてくれ無事なのです。
今から思えば、きっと神様が守ってくれていたんだろうなぁ!!
そして、盲導犬と二人で歩くようになってから思うこと。
私の目の代わりをして、一生懸命になって誘導し守ってくれている、奇跡としか思えない存在。
そんな、見えない人間と犬が、見えている人のように歩こうと必死でがんばっている。
だけど、盲導犬に指示を出しているのは人の方。
私は未だにT字路などの交差点では怪しい行動をとってしまいます。
なので、見えないから困っている人には、必ず見えている人の愛が必要なのです。
〈見えてても、見ているようで、見えてない〉
もう二度とこんな悲しい事故がないように!と、心の底から願うばかりですが、みんながほっこりあんになって「愛がいっぱいのほっこり安全運転」になれば、もっともっと世界は変わるのになぁ!!
そんな世界が来るために、これから先いろんなことがあると思いますが、ラシッド君と共に、精進してがんばります(^o^)/