こんにちは、松山真由美です(^^)
訓練所を卒業してから1ヶ月、お店から自宅まで、がんばって歩いて帰っていたのですが、どーしても乗り越えられない壁がありました。
「大丈夫ですよ!何とかなるから諦めたらだめですよ!」
と、諦めることが嫌いなほっこりあん先生から、やっとのお許しがでて、遠回りにはなるのですが、新しいコースに変えてもらいました。
そのコースになってから、初めは順調だったのですが、やはりまだまだ未熟な私たちは、そううまくはいきません。
60分かかる内のほとんどはいい感じになってきたのですが、最後の15分が大変なのです。
なにが大変なのかというと、真っ直ぐ真っ直ぐいきたいのに、なぜかなかなかいけないのです。
ずっと真っ直ぐ歩いてきた緑道の延長線上に、陸橋に続いていく道があるのですが、手前側に左にそれていく道が2本もあるのです。
盲導犬は基本的に左によって歩くので、私の真っ直ぐと犬の真っ直ぐに大きなズレがあるのです。
私が「ストレート、ストレート!」と、必死で指示しているのに、
「え?なんで?」
と、不思議そうに私の顔を見てくるのです。
「そっちは違うよ、ストレートやよ!!」
と、慌てる私に
「何いってるの?違うよ、こっちだよ!」
と、ぐいぐい引っ張っていくのです。
全く見えない私と見える犬ならば、もしかしてこっちなのかな?不安になりながらもしぶしぶついて行くと決まって迷うのです。
あまりにも毎日迷うので、ほっこりあん先生に助けに来てもらったときの話です。
いつものように「ストレート、ストレート!」
すると、全く何事もなかったように陸橋を歩いているのです。
後ろからついてきて見ている先生に「あれ!?今、私達うまくいってるような気がするんですけど!?」
「ええ。何の問題もなく真っ直ぐいってましたよ!」
犬の方はといえば、
「はい!いつも通りに歩いてますが、なにか?」
というかのように、張り切ってどんどん歩いていくのです。
その後の難関も全てクリアし、優等生ぶりを先生にアピールしまくるのです。
今までの苦労は何だったの?とこけそうになる私に
「これはただ単に、犬のわがままです!ただ左の公園の方に行きたいだけですよ。これも全て松山さんがコントロールするんですよ!!」
と、言われながらも、この賢い?犬の行動に、私も先生もおかしすぎて笑いがとまりません。
これで安心!と先生が帰った次の日から、嘘のようにまた迷うのです。
「だれか、ほっこりあん先生の等身大の人形を作ってー!!それを毎日コロコロ引っ張って歩きたい!」
と本気で思う今日この頃です。
そうなのです、命を預ける盲導犬の訓練の中で、私が一番難しいなぁとおもうのが、このコントロールです。
見えない私にとって人間のコントロールも大変なのに、言葉が通じない盲導犬をコントロールするのは至難の業。
よく訓練中、「この子たちは、小さい子供と同じなので、手のひらで転がしてやってください!」
といわれましたが、今のところ、転がされているのは間違いなく私の方。
一日も早く「コントロールの魔法」を使いこなせるようにがんばりますヽ(・∀・)ノ